博多には『博多おはじき』というものがあります。
おはじきと言えば、ガラスでできた子供の玩具です。
おはじきをはじいて相手のおはじきに当てたりして遊びます。
中国から伝わったとされ、古くは奈良時代にまでさかのぼるのだそうです。
貝殻や小石、植物の実なども使われ、ガラス製になったのは明治時代と、結構最近のことです。
博多に伝わる『博多おはじき』は、それとは少し違います。
素材は素焼きでできていて、形も様々です。
人の顔の形をしたものや、カエル、ブタなどがあります。
言われなければおはじきだとは思えないでしょう。
日本各地にはこれに似た『泥めんこ』と呼ばれるものがあり、博多おはじきもその一種です。
しかし、はじいて遊ぶことから博多おはじきという名前が定着しました。
博多人形と同じ工程で作られ、放生会と呼ばれるお祭りで毎年販売されていますが、人気が高くすぐ売り切れてしまうため、夜中から並ばないといけないほどです。
自分で絵付けのできる博多おはじきもあるので、記念に作ってみるのもいいかもしれません。
このおはじきですが、『厄や災いをはじく』と言われ、厄除けに人気があるのです。
愛嬌のある姿の博多おはじきですが、そう言われると縁起が良いようにも思えてきます。
博多おはじきで、厄をはじいてしまいましょう。