流し雛という風習を知っていますか?
雛祭りの頃に行われる風習で、その名前の通り、雛人形を川に流すのです。
これは京都の下鴨神社や、佐賀の松原神社など、各地に伝わっています。
この流し雛の風習は平安時代からあり、これが元で雛祭りができたとも言われています。
流し雛は、厄を流すものです。
雛人形に自分の厄を身代わりしてもらって、厄や穢れを払うのです。
そこから、雛人形は災厄除けの人形とされ、守り雛として祭壇に祀られるようになったのだそうです。
江戸時代頃には、一生分の災厄を雛人形に代わってもらうというように、祭礼的意味合いが強くなりました。
それに伴って、今では祭りの面が強く、無病息災を願う儀式として定着しているのです。
形態を変えた今でも、流し雛を行う地域もあります。
最近では人形も水に溶けるような素材で作ったりと、環境にも配慮されています。
佐賀の松原神社の流し雛は、雛に願い事を書いて『願いが叶うように』と流します。
奈良の吉野川では、千代紙でできた雛人形が吉野川から紀ノ川を下って、紀州淡島神社まで流れていきます。
この神社は女性の病や、安産、子宝などの神様で、雛祭り発祥の地とも言われているところです。
他にも全国各地で流れ雛は行われていて、海に流すところや、池に流すところなど様々です。
女性の厄流しという意味合いが強いので、女性の方は雛と一緒に厄も流してしまいましょう。