長野県には『厄投げ』という行事があります。
小正月に火祭りが行われ、その前に厄年の人々が行うものです。
火祭りは地方によってはどんど焼きとも言われています。
厄年の人々はこの火祭りが行われる直前に、皆の前で自己紹介をします。
そして手にしたみかんを投げます。
それを主に子供たちが拾って持ち帰るのですが、みかんと一緒に厄も分け合う、というものなのです。
厄を分け合えば、厄年の人の厄は軽くなり、厄払いになります。
みかんだけではなく、お菓子やお金なども投げたりします。
子供たちはそれらを拾うのが楽しいようで、楽しみながら拾って帰ります。
厄を分け合う、と言うと少し悪いような気もしますが、目の前で喜んで拾っている子供の姿を見れば、良いことをしたな、と思えるのかもしれません。
きっと、その気持ちが厄を払ってくれるのでしょう。
みかんはどんど焼きの火で炙って食べると、一年間健康に過ごせるのだそうです。
そのような効果もあるのなら、厄を分けられてもみかんを頂戴したいですよね。
厄年の人は厄払いになり、みかんをいただいた人も健康に過ごせるのであれば、皆が幸せになれます。
助け合いや分け合う気持ちが大事なのでしょう。