徳島県にある薬王寺。
ここは四国八十八か所巡りのお寺の一つで、白装束を着た人々が杖を片手に訪れる姿が目をひきます。
このお寺は厄落としとしても有名で、厄年を迎えた多くの人々が参拝に訪れます。
厄除けで名高い弘法大師が42歳のとき、平城上皇の厄除祈願の勅願を受けて、本尊厄除薬師如来を刻み厄除けのために開いたお寺です。
以降、厄除けとして有名となり、年間百万人を超す人々が訪れるのです。
その境内には石段の『厄坂』と呼ばれる階段があります。
厄坂は33段の女厄坂、42段の男厄坂、61段の男女厄坂があります。
そうです、厄年の年齢と同じだけの段があるのです。
この石段の下には、薬師本願経が一石に一字記して埋められてあります。
厄年を迎えると、その石段を上ります。
そして一段一段にお賽銭を置きながら上ると、厄が落とされる、のだそうです。
石段の脇には、一段一段、お賽銭が置かれているのが見て取れます。
いくらでも構わないのですが、一円玉が多いようです。
全ての段にお賽銭を置くと、少なくても33枚、多ければ61枚のお賽銭が必要になります。
持っていくのに一円玉が軽くていいのかもしれません。
一段一段、心を込めてお賽銭を置きながら上れば、本尊にたどり着いたときには厄は落ちているはずです。