厄というのは、神事に司る『役』から来ている、という説があります。
元々は、厄年とは晴れの年齢と考えられ、おめでたいものでした。
女性の33歳、男性の42歳は本厄と言われていますが、この年齢は地域でも一定の地位に達した年とされていたのです。
年を重ねて立派な大人の仲間入りです。
そして氏神神社の行事に参加することになります。
そこでは神事に関わることになり、神に仕える神役を担うのです。
その『役』が『厄』になった、というわけです。
神事に仕えるためには、体の穢れなどを落とさなくてはなりません。
そのため、役に当たる人は厄を払うという習慣ができたのだそうです。
今では厄年の人間が皆、神事に仕えるということはあまりありません。
晴れの年齢という意味も失われ、厄年というものだけが残ったのです。
また、厄年の頃は様々な役についている年齢になります。
男性なら出世して役職につく頃です。
女性なら結婚して妻役になったり、出産をして母親役になったりもします。
そのように、役が変化する頃でもあるのです。
そのため、それが原因で心身を崩し、災厄を呼んでしまいます。
新たな役はプレッシャーにもなり、困惑するかもしれません。
しかし役を楽しむ余裕があれば、きっと厄は除けることができます。
自らの役を果たして厄を除けましょう。