招き猫と並んで商売繁盛、祈願成就の縁起物とされているのが「だるま」。
仏教禅宗の開祖といわれる菩提達磨という僧がモデルです。
仏教禅宗の割には濃い顔立ちをしていますが、達磨は中国人ではなくインド人の僧であったことを考えれば納得がいくでしょう。
禅宗の寺院では達磨を描いた掛け軸や御札が仏像と同じ役割をしており、だるまの始まりは群馬県の高崎にある禅宗の少林山達磨寺で毎年正月、達磨寺の心越禅師が一筆達磨の座禅像を配り札としていたこと、と言われています。
だるまが配り札から置物になったのは古くからの民芸品である起き上がり小法師と似ていることが理由で、手足がなく重心を低くした起き上がり小法師に顔を描いたものがだるまと混同されるようになりました。
ちなみに、だるまに他足がないのは達磨大師が壁に向かって9年座禅を続けたため手足が腐ってしまったから、という理由です。
なかなか危ない話ですね。
商売繁盛につながるのか不安になるようなエピソードですが、とにかく起き上がり小法師と混同されたことにより、だるまは七転び八起きの象徴として扱われるようになりました。
現在、だるまの生産量は発祥の地、高崎が全国で1位、およそ80%を占めているといわれています。