断ち物で願掛けをする

『断ち物』とは、神仏に願掛けをする際、好きな食物や嗜好品などを絶つことで、より強く願掛けをするというものです。

願いを叶えるためには、ただ神仏などにお願いをするだけでは弱いものです。

そのために苦行や試練を行うのが、本来の願掛けです。

好きなものを絶つのは、辛いことです。

好物の食べ物を食べられないと思えば、辛いでしょう。

お酒が好きな人にとってのお酒、甘い物が好きな人にとってのケーキ、好きなら好きなだけ、それを絶つのは辛いのです。

辛ければ、それだけ苦行になります。

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その苦行が、願掛けに対する真剣さを物語るでしょう。

願いが叶うまで絶つというのが、一般的です。

そうすれば好きなもののためにも、願いに向かって頑張る気力が起きます。

それがより、願いを叶える力になるのです。

しかし、中には生涯に渡って絶ち続ける人もいました。

上杉謙信は、武人の守り神である毘沙門天に願掛けをし、生涯に渡って女性を絶ちました。

そうすることで、戦での無事を願ったのです。

また、春日局は幼い家光が大病を患った際、助けるために薬を絶って願掛けをしました。

彼女は生涯に渡って薬を口にせず、臨終の際にも拒んだと言われています。

それだけの覚悟での願掛けなら、確かに願いを叶えてくれそう思えますよね。

辛い苦行である断ち物で願掛けを行えば、きっと願いは叶うはずです。

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