災害ボランティアの現実は想像を超えた過酷さがあります。
TVや新聞では伝わらない圧倒的な破壊を前にすると、いったい自分は何ができるのかという無力感は災害ボランティアを経験した人なら誰もが口にする言葉。
インフラがない不便さから逃れることはできませんし、粉塵や不衛生さから来る病気の怖さもあります。
こういった物理的状況よりもっとツラいのが対人間。
ボランティア間の衝突、被災者との軋轢は必ず目の当たりにすることです。
情報が混乱しているなかでボランティアのリーダーを務める人の指示が的確とは限りません。
被災地で暮らす人のリクエストがすべて賄えるわけではありません。
最低限のリクエストすら満足に満たすことができない状況もあります。
リクエストに答えられない苛立ちや情報の無責任さに怒りが込みあげてくることもあるのですが、それが災害ボランティアの現実。
その怒りという自己を乗り越えて継続すると、初めて無償の奉仕が実感できることになります。
被災者に感謝されることもあれば、ボランティア同士で友好を深めることもあります。
極限状態だからこそ、混沌のなかに真実が見えてくることもあるのです。
確かに災害ボランティアは高齢者に取って厳しい活動ですが、参加したことによって得た経験は、必ず、その後のボランティア活動に活きることでしょう。