36枚撮りのフィルム、すべてをプリントするとしたらフィルム代、現像代を足すと2,380円となり、プリント1枚につき、約66円かかります。
つまり一回のシャッターが約66円ということ。
2回押せば自動販売機で冷たいコーラでも温かい缶コーヒーでも買えちゃうわけです。
デジカメならタダ同然ですから、フィルムの場合はおのずとシャッターを押すことに慎重になるでしょう。
これ、写真上達に欠かせぬことなのです。
フィルムを使い始めると1枚の写真を撮るために構図を考え、光の量を測り、どのような写真に仕上がるか予測しながらシャッターを切るようになります。
つまり写真に対する想像力が働くようになるのです。
この想像力が働き出すと写真に対する経験値が上がり、自分はどのような写真が撮りたいのか、そのためにはどんな立ち位置になって構図を決めればよいのか、光の取り入れ方はどうすればベストなのか、それらが分かってきますから、自分の持ち味にしたい写真を偶然性に頼らず再現できるようになります。
36枚しか撮ることができず、それ以上撮る時は出費覚悟でフィルムを交換しなければならないというフィルムカメラのデメリット、しかしそれはデジタルにはない、写真を上達させるというメリットでもあるのです。