トイカメラの必需品、フィルムのことを少し解説しましょう。
フィルムは最長でも36枚しか撮れないし、現像料、プリント代もかかります。
それでも、その価格に見合うメリットがあり、それはデジタルにはないものなのです。
最近はデジタル機器の性能も上がり、プリンターのインク、印刷紙の画質も向上して写真が色褪せなくなってきました。
プロ向けのプリンターは200年色褪せない、という自信に満ち溢れたキャッチコピーに彩られています。
しかし、現在の技術が証明されるのは200年後のこと。
途中、どのように変色するか予測もつきません。
なにしろデジタルカメラとプリントの世界はまだ始まったばかりなのですから。
フィルムからプリントされた写真は年月の経過と共に色褪せ、それがまた過ぎ去った時間の量をアナログ的に伝える魅力があることが分かっています。
それからデジタル写真の記録方法はコンピューター言語による記録で、画像として再生するためには専用のアプリケーションが必要であること、記録は言語による数値化でメディアに保存されています。
つまりメディアが破損してしまえば記録は消えてしまう、というデジタル特有のデメリットを持っています。
記録メディアは次々と刷新され、その度にバックアップによるコピーを繰り返せねばならず、写真の記録方式によってはコピーによる劣化も考えられます。
フィルムは現像所がある限り(もっとも自分で現像するという究極の楽しみ方もありますが)、いつでもフィルムから真新しいプリントが取り出せるのです。
フィルムって、意外と現代でも通用する実力を持っているんですよ。