映画館にはプロの映写技師がいる。
そう思っていませんか?
昔の映画のフィルムは燃えやすいものでした。
映写室から、高温のランプをフィルムに当てて上映するのです。
火事の危険が付きまとい、少し目を離した隙に発火してしまうこともありました。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』でそんなシーンを観たことがある人も多いでしょう。
そのため、映写をする際には映写技師が必要で、その資格は国家資格でした。
資格の取得は決して難しいものではありませんでしたが、昔は正規の映写技師がいなくては、映画の上映もできなかったのです。
しかし、今ではフィルムが不燃性のものになり、その資格は必要なくなりました。
それとともに、映写技師も必要ではなくなったのです。
ですから、今の映画館には基本的に専門の映写技師はいません。
映写機を扱う上である程度の映写技術は必要ですが、それはアルバイトでもできる程度だったりします。
実際に映画館で映写を扱うスタッフでもアルバイトのスタッフはいて、今は映写技師になるのも難しいものではありません。
昔のように国家資格は必要ないのですから。
ただ、昔よりも安全になったとは言え、映写事故などのトラブルはつきものです。
資格は必要ありませんが、繊細な仕事と注意力は必要になります。