翻訳夜話
村上 春樹・柴田 元幸/著 文藝春秋(2000年10月/発行)
東大、翻訳学校、プロの翻訳家を集めての座談会と、3回にわたる講義で構成されています。
翻訳テクニックといった技術的なものではなく、翻訳を目指す人にとって“核”となるような事柄について話されていると思います。
roll one’s eyesは「目をクリクリさせる」か?意訳か逐語訳か?「僕」と「私」はどうちがう?など、お二人のこだわりが端々に感じられます。
「ひたすら主人の声に耳を澄ます」柴田氏と「(翻訳することによって、原文の世界に)主体的に参加したい」村上氏。
翻訳が好きで仕方がないお二人が、おもいきり語り明かした一冊です。
柴田氏の好きなポール・オースターと村上氏の好きなレイモンド・カーバー。
柴田氏と村上氏による、ポール・オースターとレイモンド・カーバーの短編小説の「競訳」付きです。
こういう比較のさせ方もおもしろいと思います。みなさんも訳されてみてください。