翻訳家の仕事というと、真っ先に思い浮かぶのが「小説の翻訳」ですが、その国の文化や慣習などの知識、翻訳する外国作家の個性や文体のクセなどを読者に伝えなければならないため、それなりの知識と表現力が必要になってきます。
この翻訳家で印象の深い人は、作家の村上春樹さんです。
村上さんの文体そのものが翻訳小説に影響を受けており、独特の比喩に特徴があります。
自分の好きな作家の文章を翻訳し、世間に紹介することの楽しさを、村上さんはエッセーで書かれています。
村上さんがとくに影響を受けた作家として、スコット・フィッツジェラルド、トルーマン・カポーティ、リチャード・ブローティガン、カート・ヴォネガット、レイモンド・チャンドラーらが挙げられており、訳書『グレート・ギャッツビー』のあとがきにおいて、影響を受けた本として、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』、チャンドラー『ロング・グッドバイ』、そしてドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の三冊を挙げています。
数多くの外国文学に親しんでいるというのも、小説の翻訳家として大切な要素だと思います。