京都にある若一神社。
『にゃくいち』と読みます。
1166年、平清盛が六波羅に家を構えていた頃、熊野詣に向かうと、お告げを聞きました。
『土中に隠れている御神体を掘り出し、清めて祀りなさい』というものでした。
清盛が別邸である西八條御所に帰京すると、東方築山から光が放たれたのを見ました。
そこを自ら掘ると、若一王子と呼ばれる熊野にも祀られている神の御神体が出てきたのです。
清盛はその地に若一神社を造り、御神体を祀りました。
そして清盛は出世を祈願したのです。
すると翌年、清盛は太政大臣に任命され、平家は繁栄しました。
そのことから、開運出世の御利益があるとされています。
ちなみに、この御神体は清盛に掘り出される遥か前、772年に鎮座したもので、天変地異などによって地中へと入ってしまったものだったようです。
現在では若一神社には平清盛像も建てられています。
大きな神社ではありませんが、出世を祈願する人が後を絶ちません。
社前には樹齢800年の大きな楠の御神木があります。
これは清盛が自らの手で植樹した、と言われています。
その楠に守られるように、若一神社は厳かに建っています。
平清盛も出世した若一神社。
私たちもその御利益にあやかりましょう。