京都にある松尾大社。
松尾山を背に、古くから伝わる由緒ある神社です。
5、6世紀頃に、大陸から秦の始皇帝の子孫と自称する、秦氏の集団がこの地に移り住みました。
そして松尾山の氏神を祀ったのです。
松尾大社の境内には、数多くの酒樽が並んでいます。
これはこの松尾大社が、酒の神として崇められているからなのです。
なぜそう言われるようになったのか詳細は不明ですが、一説によると秦氏が酒造が得意で、その技術をこの地に持ち込んだからではないか、と言われています。
その関わりからか、秦氏には『酒』の文字が付いた名前が多かったようです。
室町時代以降、松尾大社は日本第一酒造神と呼ばれるようにもなりました。
大社の裏には『亀の井』と呼ばれる井戸があります。
この井戸の水は霊泉の水と言われ、醸造の際に酒に混ぜれば腐敗を防ぐと言われています。
そのため醸造家が持ち帰るのが、風習となっています。
松尾大社の御祈祷は商売繁盛などの他に、醸造安全、酒業繁栄といった独特のものがあります。
酒業を営んでいる人にとっては、とても頼りになる御祈祷でしょう。
多くの酒屋や醸造家がこの神社を訪れ、繁盛を祈願するのです。
お酒に関係のある仕事をしているのなら、松尾大社を訪れましょう。