正月の食卓で最初に上がるのが雑煮。
これ、同郷家族であればほとんど問題ありませんが、異なる地方出身者、とくに西日本と東日本、太平洋側と日本海側などのように離れた場所の夫婦になると厄介な問題になります。
正月早々、これが原因で喧嘩をしたことのある夫婦も少なくないでしょう。
それほど雑煮は各地でその様式が異なり、毎日の味噌汁以上に多彩な種類があると言えます。
まず雑煮に欠かせない餅ですが、関東の角餅に対して関西は丸餅、関東は餅を焼いて焦げ目をつけることに対して関西は餅をそのまま煮ます。
同じ餅を焼く東日本でも関東の澄まし汁に対して東北に行くと野菜をたっぷり入れて、さらに白味噌仕立ての雑煮となり、同じ味噌仕立てでも関西に行くと合わせ味噌になります。
また同じ東北でも具が山間部は野菜、沿岸部は魚介類に変わり、さらに地域によっては鶏肉や猪肉まで入れるところがあります。
もっと言えば、米が取れずに野菜の収穫しかできなかった地域は雑煮に餅を入れない風習が残っているところもあるのです。
当たり前と思っていたことが当たり前でないと知った時、それを受け入れることができるかどうか、新年早々、人間としての器を量るのが雑煮といえるでしょう。