さて、年越しそばを食べたら、紅白歌合戦でも見て(今の時代の歌合戦という言葉そのものがそぐわないのですけれど)静かに除夜の鐘の音に耳を傾けましょう。
除夜の鐘はご存じのように108回、深夜0時をまたぐ時間帯に寺院の梵鐘を撞く行事です。
108回の意味は月の数の12に二十四節気の24、これに七十二候の72を足して1年とする説や1年間の四苦八苦(4×9+8×9)を梵鐘で癒やすという説もありますが・・
もっとも広く知られているのが煩悩の数ですね。
煩悩とは心身を見出し悩ませ、知慧を妨げる心の働き(汚れ)のことで、仕事が詰まっているのに遊びに行きたい、とか、衣食住事足りているのにもっとお金が欲しい、とか、彼女や彼が心むしられるほど好きだ、とか、いわば人間の持つ根源的な欲望のことです。
欲望があるからこそ、人類は発展を遂げてきたとも言えるし、欲望のない、つまり煩悩のない人生なんてつまらないじゃないか、と煩悩に塗れた私は思うのだけれど、それはともかく煩悩は仏教の狭義のひとつで、その数は宗教によって異なり、もっとも少ないのは3、通俗的には108、84,000という宗派もあれば無限の数という考え方もあります。
除夜の鐘の音を聞きながら、自分の煩悩の数を勘定してみましょうね。