歳神様を迎える準備ができたら、自分たちの正月を迎える準備です。
まずは御節(おせち)料理。
御節料理は本来、正月だけのものではなく中国から伝わった五節供の祝儀料理が庶民の間に広まったもので、五節供の中でもっとも重要とされていた元日節会から正月に行われるようになりました。
また歳神様に祝儀料理を振るまい、その後に共食するという意味合いもあって、御節料理を年明けからではなく、歳神様が訪れる大晦日から食べる風習の地方もあります。
最近では家庭で作らなくなったばかりか、豪勢なホテル製や和だけでなく洋中の御節料理も当たり前のように販売されています。
祝儀料理なので豪勢であっても構わないのですが、やはり御節料理としての基本部分は覚えておきたいものです。
ちなみに重箱に積めるようになったのは比較的新しく、明治時代以降といわれています。
本来、膳に供する御節料理を重箱に詰めて食積と呼んでいました。
庶民の間に風習として始まったのは昭和に入って高度成長時代を迎え、高級デパートが見栄えのよい重箱に詰めた御節料理を販売したことから、というのが定説なので、御節料理は重箱から直接食べるのではなく、小皿に移し、膳に乗せて食べましょうね。