前項のように正月の風習・イベントは数多くありますが、それらのほとんどは「歳神様」につながっています。
まずは、この歳神様を理解することで本当の正月の過ごし方ができるでしょう。
古来、一神教や仏教が布教される以前、神様は土着信仰の対象でした。
日本では八百万の神。
豊作を山の神に祈り、大漁を海の神様に祈願し、子供が健康に生まれるために安産の神様にお願いし、竈の火が暴れないように火の神様に祈り、そして豊作や大漁になれば、あるいは子供が無事に生まれて家内が安泰になれば、それぞれの神様に感謝していたわけです。
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これらの神様、ご先祖様が神様になって子孫を保護してくれる、というのが日本独自の古来の考え方でした。
したがって正月は夏の盆と同じく祖先を迎える行事でしたが、祖先と同一だった民間神は古事記や日本書紀によって日本神話の神様となり、仏教の布教によって神様と祖先が分かれるようになったことで、夏は仏教による祖先供養、正月は神事を祀る行事に変わっていきました。
歳神様はやがて歳徳神と呼ばれるようになり、徳は得に通ずるから縁起がいい、ということでその年にやってくる歳徳神の方向を恵方と言います。
関西の風習だった恵方巻きは歳徳神様がやってくる方向を向かなければならない、という原則は元を辿ると正月の行事のひとつなのです。
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