毎年、12月になるとマスコミだとか街の雰囲気だとか、そういった周囲的状況がやたらとクリスマスケーキだの御節料理だの海外旅行だのと騒ぐものだからどうしても気分が忙しなくなります。
もっとも、これは現代に限ったことではなく古来、日本においては正月を迎えるために12月は忙しく過ごしていたようで、陰暦ではご存知のように12月を師走(しはす)と呼んでいました。
師、つまり寺のお坊さんが年内にお経を上げるため、走り回るので師走、あるいは師馳す、というのが語源のひとつ。
馳す、は馳せ参じるの意味ですね。
ただし師走、どうやら当て字から発生したというのが本説で、とりわけ和風月名としては正式というものではなく、極月(きわまりづき)と呼ばれていたのが一般的で、中には晩月とか氷月、春待月などというメルヘンチックな呼び名もあるので、12月の和風月名は師走だけが正解ということはありません。
それにしても、なぜ12月が忙しない気分になるか、というと、これは正月を気持ち良く迎えるため、という以外に答えが見つかりません。
考えてみると、ゴールデンウィークより短い休日期間なのに、やはり12月からソワソワするくらい、日本人に取って正月は特別な存在なのですね。