作業療法士というのは、非常に根気の必要なある意味、根競べに近いくらいの精神が必要です。
できないものをできるようにする、という仕事は本当に根気が必要になります。
作業療法士は、身体が不自由、心に障害を持った人への訓練を行います。
お茶碗がもてない、お箸が使えない、また、もう右は動かないから、利き手ではない左手を使ってご飯を食べられるように・・・という訓練を行います。
それはイライラすると思いますよ。
患者さんは。特に大人の人は、今まではすんなり動いていた、頭で考えることなく、自然に近い形で動いていた手先が「動かすぞ」と思わなくては動かない、動かすぞと思っても思うように動いてくれない・・・こんなことの繰り返しを訓練で行うのですから、考えただけでも、いらいらしてしまいますよね。
そこをなだめて、集中させて作業療法を行わせるのが、作業療法士の務めになりますよね。
ゆっくりでいい、確実に動くように、しっかりとした訓練をします。
編み物や縫い物、また絵を描いたり、字を書いたり、少しずつ、少しずつ、出来るようになっていく事柄を増やしていきます。
患者さんにも強い意志と根気が必要。また作業療法士にも、強い気持ちと根気が必要不可欠なのです。
できてあたりまえのことができないつらさ、どうしても前向きになれない心を、前を向くように仕向けながら、できることを増やしていく、気が遠くなるような作業が続きます。
作業療法士には、あきらめない心、くじけない心、見つめ続ける心が必要だと思いますね。