日本で最も多く信仰されている宗教は、仏教です。
元来、仏教では先祖供養という考え方はありませんでした。
お釈迦様から始まる仏教では、人は輪廻転生を繰り返します。
死んでも再び生まれ変わるのです。
ですから、死は終わりではありません。
インドのガンジス川では、亡骸を川辺で焼いてそのまま川に流します。
そうすることで、生まれ変われると思われているからです。
そのため、親族はそこまで悲しがりません。
亡くなった人は、新たな旅立ちなのですから。
そのため、お墓もないのです。
先祖を敬うことはあっても、手を合わせて供養するようなことはしませんでした。
そのような仏教ですが、中国に伝わって祖霊崇拝を行う儒教と混じり、先祖供養を行う仏教として日本に伝わったのです。
ですから日本の仏壇は、インドの仏教で見られるようなものではなく、儒教的な要素が強くなっています。
輪廻転生よりも、亡くなった人々はあの世で暮らしている、という考えが強いのが日本の仏教です。
お盆では先祖の霊が帰ってくるとされますが、輪廻転生を信じていれば、迎えに行ったりはしないはずですよね。
日本の仏教は先祖を敬い、供養を行うものなのです。
年に一度、初詣をするぐらいでも信仰心があるのなら、先祖供養も行うようにしましょう。