キリスト教総本山、バチカン市国のお膝元であるイタリアになると元来、サンタクロースの存在すらいません。
聖ニコラオスの伝説が北欧を中心に広がり、アメリカに渡って拡散した証でもあります。
しかしクリスマスの日に贈り物を届ける妖精はヨーロッパ全土と同じように存在します。
妖精というより魔女ですね。その名はベファーナ。
その伝承は神の子、イエス・キリストの誕生まで遡ります。
ベツレヘムの星で神の子が誕生したことを知った東方の三博士、ベツレヘムへ向かう途中で立ち寄った小さな村で、一夜の宿を老婆に求めます。
その老婆が村で一番の家政婦だとしった東方の三博士、一緒に神の子を祝おうと旅に誘いますが、老婆は多忙を理由に断ってしまいました。
東方の三博士が旅立った後、老婆は後悔して追いかけたけれど東方の三博士に追いつくことができず、神の子の元にたどり着けなかったため、以来、神の子を求めて彷徨って魔女になった、というのがベファーナの伝承。
神の子に贈るための焼き菓子とイエスの母に贈る箒を持っていたことが、のちに魔女がまたがる箒になり、クリスマスに贈る焼き菓子になったといわれています。
さすがキリスト総本山のお膝元、クリスマスを祝う伝承もアメリカと違って奥が深く宗教的色合いが濃いですね。