アメリカのサンタクロース像を定着させた一遍の詩

サンタクロースと靴下の関係は聖ニコラオスの起源説でわかりましたが、金貨は窓から投げ入れているため、もうひとつのサンタクロースの不可解な行動が解明されていません。

そう、なぜ煙突から入るのか?ということ。

サンタクロースが煙突から入るようになったのは1823年、ニューヨーク州トロイの地方新聞センティネル誌に無記名で掲載されたひとつの詩がきっかけです。

原題は「A visit from St.nicholas(サンタクロースがきた)」ですが、現在は別題「The night Before Christmas(クリスマスの前の晩)」の方が有名ですね。

かなり長い詩なので割愛しますが、その詩の一節に「綺羅星の中、屋根から降るのは小さい蹄の立てる爪音、引っ込め振り向いて見ると、聖なるニコラウス、煙突からどすん」とあります。

これがアメリカ中に広まり、サンタクロースは煙突から入ってくるというのが定説になりました。

詩の内容は父親の1人称で書かれており、クリスマスの夜にサンタクロースが我が家に訪れた様子をやさしくユーモラスに描いています。

「引っ込め振り向いて見ると」の一節は父親が物音にびっくりして恐る恐る見たら、という位置場面ですね。

描写がファンタジックであることから、地方新聞に掲載された無記名の詩はその後、アメリカ全土に広まり、アメリカにおけるクリスマスとサンタクロースのイメージを定着させました。

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