サタデー・イブニング・ポストは1821年に創刊され、1969年まで隔週刊誌として一般家庭に届けられましたが、同年に一旦は廃刊となりました。
その後、復活を望む声が強いことから1971年には季刊誌として復活、2013年には再構築して編集を継続しています。
1920~1960年代、アメリカ保守派が主流を占めていた時代には100万部の発行を誇っていたので、当時としては超人気雑誌だったわけですね。
内容はともかくとして、サタデー・イブニング・ポストがこれだけ有名になったのは表紙を300回以上飾ったノーマン・ロックウェルを始めとする各イラストレーターの作品です。
コカ・コーラのサンタクロースを描いたのはハッドン・サンドブロムで1931年から1964年までの間に40点以上のサンタクロースを描きました。
100万部の雑誌に40点以上掲載されれば、イメージとして定着するのは当然の話。
かくして、コカ・コーラは今でもサンタクロースの手にコンツァーボトルを握らせたイラストで広告展開を行っているわけですね。
ちなみに、近代アメリカ美術では当時、ノーマン・ロックウェルを始めとするイラストレーターを画家として認めていませんでしたが、ロックウェルの繊細で世相を映し出した作品は現在、世界中で高く評価されています。
下世話で恐縮ですが、ロックウェルの名作「息子の旅立ち」は2006年、1542万USドル(当時のレートで約17.8億円)で落札されています。