クリスマスになるとノーラッドがサンタクロースを追跡するのは恒例になっており、現在は「NORAD Tracks Santa(ノーラッド・トラックス・サンタ)」と呼ばれています。
きっかけは1955年、ノーラッドの前身、コーナッド(CONAD:中央防衛航空空軍基地)にかかってきた1本の電話。
コロラドの大手スーパー、日本でもその名が知られているシアーズは毎年クリスマスになると子供向けのサンタクロース・ホットラインを設けていますが、その年に限り、新聞広告に出した電話番号が誤植で、なんとコーナッドのホットラインだったのです。
子供からかかってきた電話に対して当時のコーナッドで任務に当っていたハリー・シャウプ大佐は「レーダーで確認したところ、サンタクロースは北極から南に向かった形跡がある」とユーモアを持って返答、これがその後、恒例行事となりました。
1955年といえば米ソ冷戦の真っ最中。
戦々恐々とした世の中で心温まるエピソードだったからこそ、恒例行事になったのでしょう。
今の世の中、当時と似た緊迫状態が各地で存在するだけに、ノーラッド・トラックス・サンタのようなあったかいエピソードが欲しいものです。
軍人であれば武功で名を残すのが本懐ではありますが、このようなエピソードで名を残すのは武功と同じくらい栄誉ではないでしょうか?