前項では伝統工芸品の職人になるための、厳しい条件の一部を紹介しました。
もう少し、向いている人、いない人の条件を提示してみましょう。
1ヶ所に留まって同じことの繰り返しに耐えられない人は絶対に職人に向きません。
伝統工芸品にもよりますが、多くはひとつの商品を作るために分業制度が確立されています。
暑い日も寒い日も、同じ場所に座って同じ工程を繰り返す時間が延々と続きます。
これに耐えられることが条件ですが、実例を見ると、伝統工芸に憧れた若者がすぐに辞める理由のナンバー1が、同じ作業の繰り返し、だそうです。
勝手に夢を抱いて弟子入りして、現実を見てあっさり辞めるのは継続して作業をしている職人さんに大変、失礼なので必ず仕事内容を確認してから転職を決めてくださいね。
ちなみに伝統工芸の職人さんに聞くと、手先が起用である必要はないと言います。
むしろ器用を良いことに雑な仕事をされることがもっとも困る点で、不器用でも丁寧な仕事をしてくれる方が助かるし、将来性もあるとのこと。
その意味で、最近は男性よりも女性の方が長続きする傾向にあるそうです。
伝統工芸の多くは男性でなければできない仕事というわけではなく、女性の力でも十分に通用する上、女性の方が丁寧な仕事ぶりを発揮するとか。
職人が男だけの世界というのはすっかり過去の話ですね。