地場産業の伝統工芸品に追い風となる材料をもうひとつ紹介しましょう。
ローカルな地場産業がグローバルな営業戦略を取れるようになったのは、なんといってもインターネットの功績が大きいといえます。
伝統工芸品に限らず地場産業は地産地消の傾向が強いため、これまでは安くて便利な代替品が登場すると自然に衰退する運命にありましたが、インターネットの普及によって地元だけでなく日本中、あるいは世界にまで需要が広がり、本来は問屋など中間の流通が必要になるところ、ネットからの直販もできるようになりました。
インターネットによる商品の紹介と販売は小ロット単位でも扱えるという点、それから購入者の声を直接聞ける、というのが大きなメリットです。
その実例をひとつ紹介しますね。
和紙の専門店が自社ブランドの和紙を販売していたところ、利用者から贈り物のラッピングに使いたいので名前を入れてもらえないか、というリクエストがありました。
和紙はインクジェットプリンターで簡単に印刷ができるため、特別にデザインして贈られる人の名前を入れたら大変、喜ばれたそうで、以後、ラッピングデザインの和紙を製作、名前を入れるテンプレートを同時サービスしたところ、大好評のヒット商品になりました。
インターネットと小ロットの強みを生かしたヒット商品といえるでしょう。