茨城県の大杉神社。
ここは、日本唯一の夢むすび大明神と呼ばれています。
常陸坊海存という男が、社僧としてこの大杉神社で数々の奇跡を起こしました。
その姿は巨体で紫髭、碧眼、鼻高と人間離れした風貌でした。
そのことから、常陸坊海存は天狗ではないかと噂になり、この神社では天狗が信仰されることになったのです。
海存が奇跡を起こしたことから、天狗は願いを叶えてくれるとされ、夢むすび大明神と呼ばれるようになりました。
夢むすびとは、『幸せになりたい』というような抽象的な夢ではありません。
『○○歳で結婚して、○○歳までに子供を産んで、幸せな家庭を築きたい』というような、具体定な夢を願うのです。
そこに向かって進む意志に、神様が力を授けてくれるのだそうです。
そんな大杉神社の中に、悪縁切りのかわらけがあります。
かわらけとは土器のことで、小さな素焼きのお皿です。
切りたい人間関係がある人が、このかわらけを求めます。
そして『我念う 君の心は離れつる 我も思わじ 君も思わじ』という言葉を唱えながら、かわらけを割ります。
粉々になった欠片を斎庭に納めると、その悪縁が切れるのだそうです。
かわらけは悪縁そのもので、それを割れば気持ち的にも少し爽快な気持ちになれるでしょう。
お互いに窮屈だったり、煩わしく感じている関係は、悪縁です。
かわらけと共にその悪縁を叩き割って、良縁を招き入れましょう。