時代劇などで、ご主人が家を出る際に奥さんが火打石でカチカチと鳴らすシーンを目にしたことがあるかと思います。
これは厄除けのために行っていました。
昔から火には呪術的な大きな力が宿っていると信じられていました。
火は清浄なものとされ、魔除けの意味もありました。
江戸時代では無事に帰ってくるようにと、危険な職に就いている人や、職人、花柳界の人などが出かけるときには火打石で火花を出して見送りました。
火花を出すことを切火と言い、邪悪なものを祓う意味があったのだそうです。
ちなみに、火打石で切火をする際、火打石同士をぶつけたのでは火花はおきません。
火打金という金属があります。
その火打金と火打石をぶつけることで、火花が起きて火がつくのです。
マッチやライターと同じ要領です。
この火打金はあまり知られていないかもしれません。
鍬などの硬い鋼があれば、それを代用することができたからです。
わざわざ火打金を使わなくても、鍬や鋤を利用して火をつけていたのです。
ですので、火打石で切火を出したければ、火打金か鍬などを用意してください。
その火が守ってくれるでしょう。
ただし、火事には気をつけてください。
家を守るはずが、なくなってしまいますから。