交通安全を願うのは何も車だけではありません。
飛行機は事故に遭うことは少なく、比較的安全な乗り物です。
ただ、空を飛んでいるため、事故に遭うと命を失う大事故につながる危険は高くなります。
また、重い飛行機が多くの人々を乗せて空高くを飛ぶのですから、不安に思う人もいるでしょう。
東京都浅草にある飛不動尊。
ここは飛行機に乗る人や、関係者などに信仰の厚い寺院です。
昔、このお寺の僧が修行のため、御本尊のお不動様を奈良県の大峰山に運びました。
お不動様が留守のある日、お不動様を思いながら、熱心に祈願した人々がいました。
すると翌日、一晩で大峰山からこの不動尊へと、お不動様が戻ってきたのです。
遠くから飛んで戻ってきた、として『飛不動尊』と呼ばれるようになったのです。
人々からは『空飛ぶ不動様』と言われ、旅先でもどこでもかけつけてくれると人気になりました。
飛行機などで空を飛べる時代になると、その名前から飛行機の交通安全を祈願に訪れる人が増えました。
旅に出る人だけではなく、飛行機のパイロット、CAなどもこの不動尊を訪れます。
あの小惑星探知機『はやぶさ』の関係者も、ここに無事に帰還することを祈願しました。
その御利益で、7年もの宇宙飛行の後に還ってこられたのかもしれません。
飛行護という根付型のお守りには飛行機のミニチュアが付いていて、安全な空の旅を護ってくれます。
飛行機に乗る際は、飛不動尊で安全を祈願しましょう。