秋田県の唐松山にある唐松神社。
二つ目の鳥居をくぐると、樹齢300年を超える杉の木が参道の両側に並び、見事な並木道になっています。
この並木道を過ぎると、その先に唐松神社の境内があります。
通常の神社では社殿は階段を上った高いところなどにありますが、この唐松神社は違います。
参道はゆるやかな下り坂になっていて、社殿は一段低いところにある珍しい神社なのです。
元々は唐松山山頂に鎮座していましたが、佐竹藩の藩主である佐竹義処が神社の前を通り過ぎようとしたところ、落馬してしまい、それに怒ってこの窪地へと神社を移した、と言われています。
その佐竹義処の息女である久姫が難産に苦しんでいたので、この神社に家臣らが祈願したところ、無事に安産で元気な男の子が産まれました。
そのことから『女一代守神』と義処に指定されたのです。
それ以来、女性の一生の幸せを支えてくれる神社として、人気が出ました。
中でも安産祈願に訪れる人が多く、全国から参拝に来ます。
参道より低い社殿や、丸い石畳の上にそびえる大神祖神・天御祖神・地御祖神を祀った天日宮。
それらは少し異様な光景ですが、大きなパワーが感じられます。
社殿へと下っていく道は、出産のようにも思われます。
社殿へと無事にたどり着くことが、安産を意味しているのかもしれません。
そのことを思いながら、唐松神社へと一歩一歩進んで行きましょう。